レーザー加工機ガイド - 選定の壺

ガルバノスキャナー

ガルバノスキャナー

ガルバノスキャナーとは、ガルバノモーターの先端にレーザー光を反射させるためのミラーが付いており、それをX軸方向、Y軸方向の2軸を組み合わせてレーザー光を制御し、加工やマーキングなどを行うための機構です。モーターの可動範囲はだいたい±15°〜±20°で、可能最小分解能は機種によって異なります。

レーザー光を集光させるには一般的にはfθ(エフシータ)レンズという特殊なレンズを使います。現在ガルバノモーターにはアナログタイプとデジタルタイプのものがあり、それぞれの特色を以下で説明します。


アナログタイプガルバノモーター

アナログタイプではガルバノモーターのドライバに±10Vのアナログ電圧を入力することによりモーターについたミラーを振るという制御方法を取ります。例えば±20°のガルバノモーターであったとすると、+5Vの電圧をかけると+10°モーターが回転し、−3Vの電圧をかけると-6°モーターが回転します。


アナログタイプガルバノモーターの良い点としてはオープンループで位置決めをしないために動作が速いことと、モーターとドライバだけで動作するので安価なことです。

逆に難点としては位置を確認しながら動作しているわけでは無いので温度ドリフト等の要因で精度に不安が出てくることや、制御するためのコントローラとシステムを開発しなければならない点です。


デジタルタイプガルバノモーター

デジタルタイプではガルバノモーターのドライバと、それをコントロールするコントローラーとを接続し、パソコンからイーサネットを通じて提供されたソフトやAPIを使ってコントローラーに命令して制御するという制御方法を取ります。モーターを動作させるにはサーボモーターのようなパルス制御で、コントローラーから制御パルスが命令に従って出されます。


デジタルタイプガルバノモーターの良い点としてはエンコーダーが付いており、コントローラーとモーター間ではクローズループで常に位置を監視しているため、温度ドリフトが無く精度が良いことです。また、3軸制御をすることでレーザーの焦点距離を変えることができるため、高価なfθレンズを使用しない光学系が組めることや、fθレンズを使わないことにより1000mm四方を超えるような広大な加工範囲が出来ることです。

コントローラーとその制御用ソフトが付いてシステム化されているためにガルバノモーターとレーザーの同期制御が容易に出来る点も魅力です。

逆に難点としては位置決めをしながら動作するために位置決め点が多くなると動作が遅くなってしまう点と、コントローラと制御ソフトが一体化されているために高価である点です。



メーカー

キヤノン株式会社
デジタルガルバノの老舗。


株式会社ワイ・イー・データ
安川電機のサーボモーター技術を応用したデジタルガルバノ。


株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ
小型モーターおよび独自開発の光学センサー技術をベースとしたガルバノスキャナー。


商社・販売代理店

株式会社ティー・イー・エム
世界的シェアを誇る米国ケンブリッジテクノロジー社のガルバノスキャナーを取扱。



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