レーザー加工機ガイド - 選定の壺

エキシマレーザー

エキシマレーザーとは希ガスやハロゲンなどの混合ガスを用いてレーザー光を発生させるガスレーザーの一種です。自然状態では結合しない原子あるいは分子どうしのガスを電子ビームや放電などで励起すると、一時的に結合して擬似分子を形成します。そしてそれがもとの原子あるいは分子に戻るときに放出する固有の波長の光を利用して誘導放出を起こさせたとき発生するのがエキシマレーザーです。一時的に結合した擬似分子をExcimer:エキシマと呼ぶため、エキシマレーザーと呼ばれています。


希ガスはアルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)が、ハロゲンはフッ素(F)、塩素(Cl)が一般に使用されています。代表的なエキシマレーザーの発振波長は以下のとおりで、短波長の紫外領域のレーザーです。

エキシマレーザーの発振機は産業用加工用途になると非常に大きく、高価です。またガスには寿命があるため、交換を定期的に行わなければならず、ランニングコストもかかります。しかしながら近年では小型でガスの長寿命化を実現したものもリリースされています。


用途としては波長が短いために微細加工、またアブレーション(※)効果により熱影響やデブリの無い高品質加工が可能です。

近年では視力矯正手術(LASIK:レーシック手術)に応用されており、エキシマレーザーによって角膜の一部分を必要なだけ正確に除去することで網膜に焦点が合うように矯正します。


※アブレーションとはエネルギーの集中したレーザー光をワーク表面に照射したとき、ワークの構成物質が原子、分子、プラズマ状態となって爆発的に放出される現象のこと。加工後のゴミ(デブリ)が残らず、熱影響の範囲も限定的になるため、高品質な加工ができる。


メーカー

コヒレント・ジャパン株式会社
産業用途から開発研究用途まで豊富なラインナップ。


住友重機械メカトロニクス株式会社
Lumonics社(カナダ)のレーザ発振器の技術を継承。


ジーエスアイ・グループ・ジャパン株式会社
エキシマレーザーは合併したLumonics社(カナダ)の製品を継承。


商社・販売代理店

株式会社オプトサイエンス
MPBコミニケーションズ社(カナダ)のエキシマレーザーを取扱。



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